その人は、一体何を片付けたくて来たのか?
よく、「自分の得意な場所で戦うべき」「まずは戦う場所を決めよう」と言われますよね。
確かにその通りだと思うし、間違ったことは言ってないと思えるんです。
ただ、そこで割と多くの事業所がつまずくのが、
「自分たちは一体何が得意なんだっけ?」
「何を基準に、どこを見れば得意な場所がわかるんだろう?」
という部分だったりします。
この基準が曖昧なまま、とりあえず動き始める。
とりあえず、チラシを作ってみる。
とりあえず、外部営業に行ってみる。
こうした状態になっている事業所は、実は多く。
もちろん、行動を始めること自体は、とても良いことなんですが。
なんですが、あまりにもフォーカスを絞らないまま、がむしゃらに動き続ける。
もしくは、現場スタッフに対して「とにかく動き続けろ」といった指示を出す。
そうなってしまうと、わりと早いタイミングで現場サイドの気持ちは折れてしまいやすいです。
これはなにも彼らの意志が弱いとかではなく、構造の問題だと思います。
なので今日は、
一度こういう視点で考えてみてはどうでしょう。
という話をします。
まず、結論から言うと、
お客さんは、商品やサービスそのものを選んでいるわけではない
こうした言葉は、すでにどこかで聞いたことがある話かもしれませんね。
なので、今回は少し言い換えてみます。
たとえばこんな感じ。
「人は、自分の中にずっと残っている【未完了の用事】を片付けるためなら、コストを使う(払う)」
(※ここで言うコストとは、お金だけではなく、時間や手間も含めたものです)
この考え方を前提に集客活動に目を向けると、見える景色は少し変わるはずです。
たとえば、賃貸物件を探している人がいるとします。
表面的には、家を探している、新しい部屋を借りたい、という状態に見えますよね。
でも、この人が本当に片付けたい未完了の用事は何なのか。
そこまで一歩踏み込んで考えてみると、話は変わってきます。
少しでも早く引っ越しをしないといけない事情がある人かもしれないし、今の家賃が高すぎて生活が苦しい人かもしれない。
職場までが遠くて、毎日の通勤が限界に近づいている人もいれば、年齢やライフステージの変化で、一人暮らしを始めないといけない人もいる。
大事なのは、新しい賃貸物件を借りるという「行動」は同じでも、その背景にある未完了の用事は、人によってまったく違うという点です。
家賃を少しでも下げたい人もいれば、通勤時間を短くしたい人もいる。
とにかく今すぐ引っ越しが必要な人もいる。
この違いを見ないまま、部屋の広さや設備、築年数、駅からの距離といった条件だけを一生懸命に説明すると、どうしてもズレが生まれます。
商品である物件自体は悪くないはずなのに成約しない。
内見までは行くのに、最後の最後で断られてしまう。
そういった事態は、未完了の用事をフォローできていない時に起きやすく、努力そのものがズレた方向にいきがちです。
この構造は、介護施設でもデイサービスでもまったく同じ。
・リハビリを提供している
・入浴を提供している
・食事を提供している
その一つ一つは、客観的に見ても素晴らしい取り組みで、本当に価値あるサービスかもしれない。
でも、
ご利用者さんやそのご家族が本当に片付けたい用事は、果たしてそこなのか。
この確認をしないまま集客活動をしていないだろうか、という視点がとても大切になります。
少しでも早く安心したい。
家族の負担を減らしたい。
この選択で間違っていないか確認したい。
一人で抱え込まなくていい状態を作りたい。
実際には、こういった未完了の用事を抱えているケースも多いはずです。
したがって、
ここにアプローチする言葉が整理されないまま、高額な費用を投じて作った綺麗なパンフレットを見せたり、独自のトレーニング機器を解説したり、一人ひとりに合わせた介護サービスを力説したりすると、しっかり説明しているつもりなのに、なぜか相手の反応が薄い、という状態が起きやすくなります。
手応えがないまま見学対応が終わってしまったり。
最後の最後で決断を先延ばしにされてしまったり。
そして、本当に辛いのは、こうした状態に陥っていても、集客活動している本人は「正しく努力をしている」と思えてしまう点です。
真面目に考えているし、定期的に行動もしている。
でも、肝心の前提がズレている。
だから、頑張るほど辛くなる。
報われる感覚が少ないと、どうしても気持ちが前を向けなくなるものです。
だから、
もしまだ、集客ってイマイチよくわからない。
うまくいかない。手応えがない。
空回りしている感じがするとしたら、こんな問いを投げかけてみてください。
「この人は、今日、どんな用事を片付けに来ているんだろう?」
自社のサービスや施策に目を向ける代わりに、ここに視点を移してみる。
そこで見えてくるものがあれば、これから戦う場所も、営業で使う言葉も、集客の手段として選ぶ施策も、もっと自分たちらしい形に整理されていくと思います。
というわけで、今日はここまで。
それでは、また。
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