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「なぜ変化に“乗らない”人がいるのか?」〜介護現場に生まれる温度差の正体〜

  
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「なぜ変化に“乗らない”人がいるのか?」〜介護現場に生まれる温度差の正体...

こんにちは、藤見です。

どこの介護事業所でも、今までにない新しい取り組みを始めようとしたときに、こんな場面に出くわすことはありませんか?

・「また面倒なことを増やすの?」という空気感
・スタッフ同士の温度差が大きくて、まとまりに欠ける
・一部のスタッフが表立って協力しようとしない

「せっかく現場を良くしようとしているのに…」という経営者やリーダーの想いも虚しく、空回りしてしまう。

こうした“まとまりのなさ”が、結果として会社や事業所の停滞感につながってしますケースを、僕は何度も見てきました。

でも実はこれ、誰か一人の責任ではなく、どこの組織にも自然に起きる現象なんです。

今回は、その理由を、「イノベーター理論」という視点から解説してみます。

人はみんな“違うタイミング”で動く

イノベーター理論とは、人が新しいアイデアや仕組みに対して、「どのように・どんな順番で受け入れていくのか?」を5つのタイプに分類して説明する理論です。

つまり、誰もが同じタイミングで同じように変化を受け入れるわけじゃないという前提をもつことが、この理論の肝になります。

この“温度差”を踏まえずに、全員を一気に動かそうとすると、必ずと言っていいほど摩擦が生じて、衝突が起きてしまうので注意が必要です。

それでは、まず「5つのタイプ」の違いを見ていきましょう。

イノベーター(2.5%)革新的な人

いわゆる“挑戦好き”な人です。

誰よりも早く新しいことに飛びつくタイプで、周囲が「それ大丈夫なの?」と半信半疑な状況でも、本人は「やってみないと分からない」とニコニコしながら前に進むような、リスクも含めて楽しめるタイプです。

事業所で言えば、「これ新しく導入してみる?」と問いかけたら、「それ面白そう」「やってみたい」と即答してくれるような存在です。こういう人が最初の突破口になってくれます。

アーリーアダプター(13.5%)早期に動く人

情報に対する感度が高くて、変化の意義を早い段階で見抜ける人です。

イノベーターほどの見切り発車はしませんが、「これは現場のためになる」「時代の流れに合ってる」と判断すれば、しっかり考えた上で主体的に動いてくれます。

管理者や現場リーダーがこのタイプだと、「やると決まれば、きっちりやる」という傾向のチームに育ちます。

イノベーターが火を付けた流れを、アーリーアダプターがしっかり燃やして広げていく。そんな頼れる存在です。

アーリーマジョリティ(34%)実績次第で動く人

この層は、まずは様子を見てから判断する人です。

自分から率先して新しいことに飛びつくことはしませんが、「周りがやってなら、成果も出ているなら、そろそろやってみようかな」と動き始めます。

おそらく介護事業所で一番多いのがこの層なので、彼らをどう動かすかが全体の流れを左右します。

そして、その層に響くのは「安心感」そして「成功事例」です。

つまり、誰かが先にうまくやっている姿を見せることが何よりの説得材料になります。

レイトマジョリティ(34%)とても慎重な人

アーリーマジョリティよりさらに慎重な人です。

変化に対しては、「本当にそれ必要?」「余計に大変になるんじゃないの?」「今のままでも困ってないけど」と、新しいことに対してまず否定(疑い)から入ります。

この層もアーリーマジョリティと同様に人数は多いですが、雰囲気にとても敏感なので、「誰がやってるのか?」「会社はどう考えているか?」といった”まわりの空気”によって態度をコロッと変えることも少なくありません。

この層の人たちに動いてもらうには、“納得感”が大事です。

ラガード(16%)最後まで変化を拒否する人

最も変化を嫌う層がこの人です。

過去のやり方に強くこだわって、新しい変化には基本的に抵抗をします。

「昔からこうやってやってるから」「今さら変えてどうするの?」と言い続ける人もいますが、この層も決して“悪者”ではなく、組織としての安定や伝統を守るという意味では、ある種のブレーキ役になってくれている場合もあります。

重要なのは、ラガードの人を無理に変えようとするのではなく、「最初は見守る」くらいの距離感を保つ方が組織全体にとってはちょうどいいことが多いです。


というように、

人にはそれぞれ「変化を受け入れるスピード」に違いがあって、「新しいことにすぐ乗れる人」はごく一部ということです。

つまり、全員同時に変化することは不可能

イノベーター理論の後半の層、つまり「レイトマジョリティ」や「ラガード」のような層は、新しい取り組みに対して次のような反応を見せます。

  • 「それって本当に私たちに必要ですか?」
  • 「今まで通りのやり方が、どうしてダメなの?」
  • 「やり始めても上手くいく保証はないでしょ?」

こうした言葉を経営者やリーダーが耳にすると、つい「やる気がない人なのかな」と感じてしまうかもしれません。

でも実際のところ、彼らがこうした言葉で抵抗するのは、“変化に慎重であることがリスク管理”だと信じているからなんです。※特に、介護業界ではこの傾向が強いかも知れません。

慎重であることは時に大切だし、現場にリスクを持ち込まないことを優先する考え方にも一理あります。

だから、経営者やリーダーが「もっと効率化できるシステムを導入しよう」と新しいアイデアを提案しても、「全員が一斉に動いてくれる」なんてことは、現実的にほとんどありません。

むしろ、すぐに協力をしてくれるスタッフが全体の2割にも満たないとしても、それ自体は異常なことではなくて、むしろ正常で普通のことです。

じゃあ、どうやって新しことを始めればいいの?

まず意識して欲しいのは、“逆風を消す”のではなく、“流れをつくる”という視点です。

つまり、「全員にメリットを理解してもらうこと」をゴールにするのではなく、まずは「数人の味方を作ること」が重要です。

この“味方”というのが、先ほど紹介したイノベーターやアーリーアダプターに該当する人たちです。

たとえば、新しい業務システムを導入する場面をイメージしてみてください。

・まずは前向きな数名のスタッフに「試験的に使ってみて」とお願いする
・実際に使用した彼らの感想を、スタッフ会議や朝礼などで共有する
・そのスタッフが以前より良い成果を出したら、しっかり評価する

こうした成功体験を演出することで、「あの人がうまく使ってるなら、自分もやってみようかな」という空気感がゆっくりと広がっていく。

特にレイトマジョリティ層は、周囲の反応にとても敏感です。

そのため、彼らを動かす上で最も影響力があるのは、「上からの指示」ではなく、「身近な人がやっている姿」を見せるのがとても効果的です。

忘れてはいけない視点

もし変化に否定的な人がいたとしても、焦らないことです。

「どうしてやってくれないの?」「なぜわかってくれないの?」とイライラしたり、問い詰めるのは逆効果です。

まずは、一緒に動いてくれるイノベーターやアーリーアダプターを味方に加えて、小さな成功事例をつくること。

それこそが、現場の空気を変える最も有効で確実な方法です。

新しい取り組みに対する現場の雰囲気は、「説得」ではなかなか変わりません。

でも、すでに「変わった人を見せる」ことで、少しずつ流れは変わっていきます。

時間がかかるのは当然

今回は、「新しいことを始めようとしたときに起きる温度差の正体」について、イノベーター理論をもとにお話してみました。

これまでに、「なぜ、あの人は協力してくれないのか?」と悩んだ経験があるとしたら、それはある意味では組織としてのバランスが良かったサインかもしれません。

新しい取り組みを浸透させたいなら、いきなり全員を変えようとは思わないことです。

大事なのは、最初に動ける“数人の味方”を作って、一緒に流れを変えていくこと。

これが大切です。

「うちのスタッフは保守的だから…」
「新しいことをやっても、なかなか続かない」

と感じているとしても、諦める必要はありません。

感情的にぶつかるのではなく、5つのタイプを見極めながら、戦略的に味方を作ってみてください。

その小さな流れが、きっと現場の景色を変えてくれます。

それでは、また!

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