「赤字を立て直す」までの地味で地道な話
こんにちは、藤見です。
「最近ちょっと稼働率が厳しいんですよね……」
「売上も登録者数も、なかなか上がらなくて……」
この相談を今まで何度も管理者さんから受けてきましたが、その度に先に正直にお伝えしていることがあります。
「たった5分の作業で新規集客が3倍になる！」
そんな魔法とか裏技はありませんからね。
と。
これ、本当によく聞かれるんです。
カウンターのお寿司屋さんで、「ねえ大将、本当はお客に出していない特上のネタ、あるんでしょ？」って問い詰めているお客さんみたいな顔で聞かれるんです。
でも本当にないんです。
僕がこれまで関わってきた赤字から立て直したデイサービスは、魔法とか裏技を使って突破してきたわけではなくて、本当に地味な改善の積み重ねで道を切り開いています。
もちろん、経営の決定権は経営者が持っているかもしれません。
でも、現場を誰よりも近くで見て、変化の気配を感じているのは間違いなく管理者です。
では、その立場にいる管理者として何ができるのか？
その問いの答えを真剣に考えて、今日から何か取り組んでみる。
それが一番の近道だと思います。
ちなみに、
その問いに対する僕の答えは、やっぱり「地味な改善の積み重ね」になります。
掃除をしてもホコリはすぐに溜まる
朝、出勤してフロアに掃除機をかけたとします。
床はピカピカ。でも翌日にはもうホコリが目立っている。
「あれ？昨日ちゃんと掃除したのに、なんでこんなに汚れるんだろう？」
原因はいくつかありそうです。
- 窓がほんの少し開いていた
- スタッフの上履きが汚れていた
- 利用者さんの衣類から毛くずが落ちた
- 棚の裏にホコリのたまり場ができていた
どれも単体では取るに足らない小さなことです。
でも、重なると確実に汚れは蓄積していきます。
この現象は、事業所が赤字になる現象とよく似ています。
”赤字になる理由”は一つじゃない
事業所が赤字になる原因を「これだ！」と一発で言い切れることは、ほとんどありません。
その裏では、
- 問い合わせの対応が遅れている
- スタッフの回答が事務的だった
- 見学時にパンフレットが在庫切れ
- ご家族への報告連絡が雑になっていた
- 職員間の共有が減って空気がピリついていた
- ブログ更新が半年以上止まっていて忘れられていた
- キャンセル時の振替対応ができていなかった
- 広報・営業活動の優先順位が下がっていた
- 事業所の看板が汚れたままになっていた
どれも「致命的」とまでは言えない小さなことかもしれません。
でも、それが5個、10個と重なれば、確実に稼働率は下がり、収支が厳しくなっていきます。
そして、そのことに気づいたときには、「なんとなく、あの事業所は活気がない」と周囲で噂になっているのです。
管理者ができることは地味、だけど
結局のところ、赤字を改善するために何をしたらいいのか？
正直、派手なこと、特別なことじゃなくて全然いいんです。
たとえば、こんな感じ。
- 問い合わせの電話には30分以内に折り返すようにする
- お迎え時に「今日も楽しみにしてました」と一言添える
- 写真を添えて「今日も笑顔でした」とご家族に報告する
- 季節に応じて装飾や香りを変えて空気をリセットする
- スタッフミーティングで好評だったレクを共有する
- ウェルカムボードを使って見学や体験者を歓迎する
- ブログやSNSにイベントの様子を毎月投稿する
- 藤見の営業研修をスタッフに受けてもらう（※これは半分ネタです）
などなど、
ひとつひとつは、小さくて目立たない改善です。
でも、こうした工夫や改善を月に1つ、3カ月で3つ、1年で10個以上やっていけば、必ず変わっていきます。
とにかく“違和感”を放置しない
今までは全員が当たり前のようにやっていたのに、いつの間にかやらなくなっていることがあるとしたら要注意です。
やらなくなった頃は、「あれ、なんか変だな」「え？これやらないの？」という、言葉にならない違和感があったはずです。
もし、その違和感に気づいたなら、「気のせいかも…」で見過ごさずに、そっと整えることこそが、管理者に求められる役割だと思います。
というわけで、
地味で地道な改善を始めても、最初は誰も認めてくれないし褒めてもくれないと思いますが、でも、それをやる人が一人もいない現場は赤字から抜け出せません。
もし、あなたが赤字経営から抜け出したいという強い気持ちを持っているなら、現場に眠っている“ちょっとした違和感”を、今日さっそく１つ直してみてください。
周囲の誰も気づかないくらい小さな改善だとしても、それがやがて数字に跳ね返ってくると思いますよ。
それでは、また！
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