「いきなり売るな!」まずは“体験”と“関係作り”から始めよう
こんにちは。
デイサービスや介護施設で集客アップのお手伝いをしている藤見です。
さて、今日は「フロントエンド商品とバックエンド商品」という、ちょっと介護業界ではあまり聞き慣れない話をしようと思います。
「おいおい、また横文字か…」と思った方、安心してください。
今日の話は、近所のドラッグストアに行ったことがある方なら、ちゃんとわかる話です。
なぜこの話をするのかというと、
何年も介護事業(デイサービスや介護施設)を続けているけれど、今でも集客や営業活動が苦手という方、自分のやり方では「新規が取れない…」「契約に繋げるまでが大変…」と悩んでいる方が多いからです。
そういう方とお仕事している時に、僕がお話するのが「フロントエンドとバックエンド」という考え方をヒントにしていくと、自然と契約まで繋げやすくなりますよ、という話です。
「ティッシュ298円」の裏側にある戦略
ドラッグストアのチラシでよく見かける「ティッシュ5箱セット298円」。
あれ、利益はほぼゼロ。
むしろ赤字です。
でも、それでもやる理由があります。
なぜ、ドラックストアはそんなことをするのか?
理由は一つ。
「まずはお店に来てもらうため」です。
これがマーケティング用語で言うところの「フロントエンド商品」というやつです。
ざっくり言うと、最初のきっかけになる商品です。
実際、この特売ティッシュを目当てにドラッグストアに行ってみると、
「あ、ついでにシャンプーも買っておこう」
「最近日差しが強いから、日焼け止めも…」
みたいに、他の商品のついで買いが起きることを狙っているわけです。
介護業界にもフロントエンドは必要か?
じゃあ、このフロントエンドという考え方を介護業界に当てはめるとどうなるか?
答えは簡単で、「無料見学会」や「一日体験利用」がそれにあたります。
「うちは1割負担で月々◯◯円です!どうですか?私たちと契約してみませんか?」と、いきなり呼びかけても、選ばるのは難しい。
たいてい引かれます。
でも「ちょっと、見に来てみませんか?」というフロントエンドの導線があれば、お客様(見込み客)との接点はぐっと近づけることができます。
これはもう、業界を問わない人の心理みたいなものです。
そのため、ドラッグストアの「ティッシュ特売」と同じように、介護業界でも無料見学会や体験利用を取り入れるメリットはあります。
それは、すぐに利益を得るためではなく、お客様との関係性を作るための導線作り、というメリットです。
バックエンド商品は“本命”だからこそ、いきなり売ろうとすると失敗する
一方で、バックエンド商品ってなに?という話ですが、これは「本命の商品」のことを指します。
ドラッグストアで言えば、利益率の高い「サプリメント」や「高級化粧品」などがそれにあたります。
デイサービスなら、「契約して継続利用してもらうこと」が本命商品です。
売上を一番多く作ることができる商品やサービスがバックエンド商品になるからです。
ここで大事なのは、
「フロントエンドをすっ飛ばして、いきなりバックエンドを売ろうとすると、高確率で失敗する」ということです。
もし仮に、地域にお住まいの高齢者のお宅に伺って「こんにちは!来月から週2回のリハビリ特化プラン、どうですか?」と言っても、たぶん誰も契約してくれません。
まずは足を運んでもらって“体験”してもらって、「ここなら安心だな」「このスタッフさんなら大丈夫そうだな」と感じてもらう必要があります。
その後に、ようやくバックエンド商品が選択肢に入ってくるわけです。
「安ければいい」というのは、よくある勘違い
ここでひとつ、よくある勘違いも紹介しておきます。
「ようするに、フロントエンドは無料とか特価にすればいいんでしょ?」と考えてしまうパターンです。
もちろん「無料や割引」は強力ですし、効果的です。
でも、それだけだと足りない。弱いです。
大事なのは、「このデイサービスなら信頼できそうだな」「ここのスタッフさんなら一緒に続けられそう」という体験を提供すること。
価格以上に「人」と「世界観」に価値があります。
ドラッグストアでも「接客の雰囲気がすごく良かった」とか「陳列が見やすくて、商品を探しやすかった」というような体験をすれば「また次も行こう」と思えますよね。
それと同じで、介護施設やデイサービスでも、見学会に来た方が「この場所・スタッフなら安心」と感じてもらうことが、そのままバックエンドである契約への一番の近道になります。
介護事業に応用するための3つのアイデア
では、
実際にどうすればこの考え方を現場で活かせるのか?
3つの簡単なアイデアをご紹介します。
1. フロントエンドは「役に立つ体験」をセットにする
案内チラシのデザインを工夫すれば、見学会だけでもある程度は人を集めることができますが、それでも「見学会やってます!」と伝えるだけではちょっと弱い。
そこで、もう一歩踏み込んで、「今回の見学会では、◯◯を同時開催します」とか「お身体のこと一緒に考えるための◯◯を実施」というように、何か役に立つような体験がセットになっていると効果的です。
要するに「ここに来ると、◯◯体験ができる」を設計するってことです。
行く理由が一つ増えるだけで、参加者のモチベーションは全然変わります。
2. 「お客様の変化」を語る
バックエンド、つまり本利用をすすめる時は、細かな制度の説明より利用を続けた時に起こる「ビフォーアフター」を語った方が心に届きます。
「長年、杖なしでは歩けなかったAさんが、ここでトレーニングを続けることで公園の散歩に行けるようになった」
こういうストーリー(物語)が、ずっと伝わります。
もしも、「介護報酬や加算算定についての詳細をもっと知りたい」と言われれば、細かく説明を続けてあげるべきですが、初めて本利用を検討している人に加算とか報酬単位を説明しても、頭に入りません。難解すぎです。
それよりも、自分にも起こりうる「未来のイメージ」をビフォーアフターで届けてあげることが大事です。
3. フロントからバックエンドへの“導線”を設計する
一番もったいないのは、「見学会をやったけど契約につながらなかった」で終わらせてしまうこと。
「今回はご縁がなかったから利用に繋がらなかった」と言い訳して、その人たちのことを忘れてしまってませんか?
「参加していただいてありがとうございます」の手紙を送るとか、「3日以内にお礼の〇〇をする」とか、ちょっとしたことで契約率は変わります。
人は「売り込まれる」のは嫌でも「気にかけてもらえる」のは嬉しい。
だからこそ、フロントからバックエンドまでの流れを丁寧に設計して、体験のあとに寄り添う導線が重要なんです。
というわけで、
「いきなり売るな!」というタイトルの意味、少し伝わったでしょうか。
売り込まない。でも、売れる。
そんな自然な流れを作るためには、
・最初のきっかけ(フロントエンド)をどう設計するか?
・信頼と関係性をどう育てるか?
・その先にある本命(バックエンド)へ、どう導くか?
この3つがポイントになります。
集客や営業に苦手意識がある方こそ、ぜひ「フロントエンドとバックエンドの違い」を意識してみてください。
この考えを持つだけで、集客も営業もずいぶんやりやすくなると思います。
そして、なにより現場が苦手意識のある集客や営業がより自然にできるようになると思います。
なんなら、僕のクライアント先はほぼ例外なくこの構造を使って成果を出してます。
あなたの事業所でも、きっと応用できるはずです。
ぜひ実践してみてください。
それでは、また!
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